キャバクラといえば、煌びやかな雰囲気とキャストとの会話を楽しむ場所として多くの人に親しまれています。
その空間を彩る重要なアイテムのひとつが「お酒」です。
しかし、お酒の価格設定や種類、キャストとゲストでのオーダーの違いなど、意外と知られていないポイントも少なくありません。
今回はキャバクラにおけるお酒の基礎知識から、売れ筋のドリンク・値段相場、さらには話題の新感覚商品までをまとめてご紹介します。
現場の運営や来店前の予習に、ぜひお役立てください。
キャバクラのお酒のシステム

キャバクラでは、飲食料金の大部分を占めるのがお酒の売上です。
提供されるお酒の種類や料金体系には明確なルールがあり、システムを理解することで、お店選びや営業戦略にも活かせます。
以下より主なキャバクラのお酒のシステムをご紹介します。
ハウスボトル
「ハウスボトル」とは、セット料金に含まれているボトルのお酒を指します。
焼酎やウイスキーなどが一般的で、銘柄は店舗によって異なります。
基本的に飲み放題として提供され、割り物(お茶や水、炭酸など)も自由に使えるのが特徴です。
コストを抑えつつ長く楽しみたいお客様にはありがたいサービスと言えるでしょう。
キープボトル
「キープボトル」はお客様が購入して、次回以降の来店時に飲むために保管されるお酒です。
ウイスキーや焼酎が主流で、店舗側は一定期間(例:2~3ヶ月)キープしておきます。
売値は1本5,000~15,000円程度ですが、卸値は2,000円前後が多く、利益率の高い商品でもあります。
抜き物・単品ドリンク
ハウスボトル以外で注文される、いわゆる「単品オーダー」のお酒を「抜き物」と呼びます。
シャンパンやブランデー、ワインなどが該当し、1本あたり数万円以上になるケースも珍しくありません。
抜き物はセット料金に含まれず別途チャージされるため、売上アップに直結する重要なメニューです。
キャストドリンク・ゲストドリンク
お客様用とは別に、キャストが飲むドリンクを「キャストドリンク」と呼びます。
例えば、カシスオレンジやソフトドリンクを1杯1,000~2,000円で提供するケースが多く、見た目にはアルコールに見せつつ、中身はノンアルコールという工夫もされています。
ゲスト側には1杯分の料金が加算され、指名キャストへのサービスとして定着しています。

キャバクラで提供される主なお酒一覧

キャバクラでは定番のお酒から高級品、トレンドをおさえた新商品まで幅広くラインナップされています。
ここでは代表的なジャンルごとに、売値と卸値の相場感も含めて紹介していきます。
シャンパン(スパークリングワイン)

華やかな演出に欠かせないシャンパンはキャバクラの売上の主軸とも言える存在です。
主にイベントや誕生日などで頻繁に注文され、キャバクラでは定番のお酒と言えます。
キャバクラでよく提供されるシャンパンには、主に以下のものがあります。
種類 | 種類 | 原価 |
---|---|---|
ヴーヴクリコ | 5万円~25万円前後 | 5,000円~2万円程度 |
モエ・エ・シャンドン | 5万円~9万円前後 | 5,000円~7,000円程度 |
アルマン・ド・ブリニャック | 20万円~120万円前後 | 4万円~50万円程度 |
ドン・ペリニヨン(ドンペリ) | 11万円~50万円前後 | 4万円~12万円程度 |
カフェ・ド・パリ | 1.3万円前後 | 1,500円程度 |
シャンパンはその見た目やブランド力で店内の空気を一気に盛り上げることができるため、キャバクラにおいて極めて重要な役割を担っています。
とくに「ヴーヴクリコ」や「モエ・エ・シャンドン」などは、お祝い事の定番として定着しており、誕生日やイベント時によく注文される傾向です。
また、「ドン・ペリニヨン」や「アルマン・ド・ブリニャック」のような高級シャンパンは、VIP対応や大型イベント時に多くオーダーされます。
数十万円単位の高額売上を一度に計上できるため、店舗側にとっても非常に効率の良い売上源と言えるでしょう。
高級銘柄のシャンパンは、お客様のステータスアピールや女の子のテンションを上げるための演出アイテムとしても機能しています。
注文時にはシャンパンタワーや専用BGM、クラッカー演出など、視覚的にも聴覚的にもインパクトを与えるサービスがセットで提供されるケースが一般的です。

ブランデー

ブランデーは、キャバクラにおける重厚感や高級感を演出できるお酒として、根強い人気を持つ定番の洋酒です。
とくに年齢層が高めの顧客や、落ち着いた接客を求める客層には非常に相性が良く、ウイスキーと並んでロングボトル(ボトルキープ)としての需要も多いお酒です。
キャバクラでよく提供されるブランデーには、主に以下のものがあります。
種類 | 販売価格 | 原価 |
---|---|---|
コニャック | 3万円〜10万円前後 | 5,000円〜1万5,000円程度 |
カルヴァドス | 2万円〜5万円前後 | 3,000円〜8,000円程度 |
ニッカ ドンピエール VSO | 2万円〜4万円前後 | 3,000円〜7,000円程度 |
サントリーXO | 3万円〜6万円前後 | 5,000円〜1万2,000円程度 |
フォーチュンハート | 2万円〜5万円前後 | 4,000円〜8,000円程度 |
ブランデーはアルコール度数が40度前後と高めですが、水割りやソーダ割りなどで飲みやすく提供できるため、幅広い飲み方ができる点も店舗運営においては重宝されます。
キャバクラで提供されることの多いブランデーは世界的なブランド力を持ち、1本数万円から数十万円に及ぶものまで価格帯も幅広くあります。
ロングボトルとして提供すれば、初回の売上に加えて再来店時のボトル消費による安定収益も期待できます。
また高級ブランデーを注文するお客様には、VIP対応や特別なサービスをセットにすることで客単価アップに繋げられるでしょう。
一方で、ブランデーは若年層の顧客にはなじみが薄く、提供のタイミングやキャストの提案力が重要になります。
キャスト側がブランデーの銘柄や特徴、飲み方をしっかり把握しておくことで、自然な流れで提案でき、売上アップにつながるでしょう。
総じて、ブランデーはキャバクラ経営において、高単価かつ利益率の高いアイテムとして活用価値が高いお酒のひとつです。
接客戦略や客層に応じて柔軟に展開することが成功の鍵となります。
ウイスキー

ウイスキーは、キャバクラにおける定番中の定番ともいえる洋酒であり、ボトルキープの主力商品として安定的な売上を生み出す存在です。
特にミドル層から年配層の顧客に根強い人気があり、焼酎よりも高級感がありながらも、コニャックなどのブランデーよりはカジュアルに楽しめる点が強みです。
キャバクラでよく提供されるウイスキーには、主に以下のものがあります。
種類 | 販売価格 | 原価 |
---|---|---|
シーバス・リーガル | 1.5万円〜2.5万円前後 | 3,000円〜6,000円程度 |
マッカラン | 3万円~10万円前後 | 1万円~3万円程度 |
ジャックダニエル | 1.5万円〜2.5万円前後 | 2,000円~4,000円程度 |
山崎 | 5万円~20万円前後 | 2万円〜4万円程度 |
響 | 3万円〜10万円前後 | 7,000円〜1.5万円程度 |
ウイスキーは銘柄の種類が豊富で、数千円のライトなものから数十万円に及ぶプレミアムボトルまで、非常に広い価格帯を持っています。
これにより、客層の幅に応じた提案がしやすく、予算やステータスに合わせて最適な銘柄を選べるのが特徴です。
ウイスキーはストレート、ロック、水割り、ハイボールなど提供スタイルが豊富で、1本のボトルから多数のドリンクが作れるため、非常に高い利益率を誇ります。
たとえば1本あたり原価2,000円のボトルでも、複数回の来店で飲みきられる構成にすれば、実質の売上は数倍に膨らみます。
さらに、近年の「ハイボールブーム」により若年層からの注文も増えており、「角瓶+炭酸」のようなライトな組み合わせでも気軽に注文されやすく、日常の売上ベースの安定化に貢献しやすいでしょう。

焼酎

焼酎は、キャバクラにおける安定した売上と高い利益率を両立できる重要なお酒のひとつです。
高級感のある洋酒に比べると派手さは控えめですが、コストパフォーマンスの良さと幅広い年齢層への対応力により、店舗運営に欠かせない定番商品として定着しています。
キャバクラでよく提供される焼酎には、主に以下のものがあります。
種類 | 販売価格 | 原価 |
---|---|---|
いいちこ(麦) | 8,000円~12,000円前後 | 1,000円~2,000円程度 |
二階堂(麦) | 8,000円~12,000円前後 | 1,000円~2,000円程度 |
霧島シリーズ(黒、白、赤、茜) | 8,000円~15,000円前後 | 2,000円~3,000円程度 |
鏡月 | 6,000円~7,000円程度 | 500円~1,500円程度 |
魔王 | 15,000〜25,000円 前後 | 4,000円〜6,000円 程度 |
焼酎の大きな魅力は、原価が非常に低く、それでいてボトル単価が安定していることです。
たとえば、4合瓶(720ml)の芋焼酎であれば、仕入れ値は1,000〜2,000円程度。それをキャバクラでは1本5,000〜1.5万円前後で販売するのが一般的です。
提供方法(ロック・水割り・お湯割り・ソーダ割りなど)を工夫すれば1本あたりの杯数をさらに増やすことができ、利益率は洋酒以上に高くなることもあります。
焼酎には主に「芋焼酎」「麦焼酎」「米焼酎」「黒糖焼酎」などがありますが、キャバクラで人気があるのは芋と麦が中心です。
芋焼酎はしっかりとした香りとコクが特徴で、焼酎好きな年配の男性に好まれる傾向があります。
一方で、麦焼酎はクセが少なく飲みやすいため、焼酎に不慣れな顧客にも勧めやすいという利点があります。
コストの低い焼酎は、ハウスボトルやセット料金内のドリンクとして活用する店舗も多く、原価を抑えながら顧客満足度を維持できる手段として有効です。
たとえば、ソフトドリンク割りやお茶割り、レモンサワー風のカクテルにして提供するなど、工夫次第でバリエーションを広げることができます。
ワイン

ワインはキャバクラにおける高単価商品の柱ともいえる存在です。
高級酒カテゴリでありながら、価格帯や種類の幅広さなどからどんな客層にもアプローチしやすいのが特徴です。
また、ワインには「銘柄によって話題性がある」「ボトルデザインに高級感がある」「テーブルの雰囲気を格上げできる」などの魅力があり、シャンパンと同様に演出ツールとしての側面もあります。
キャバクラでよく提供されるワインには、主に以下のものがあります。
種類 | 販売価格 | 原価 |
---|---|---|
ロマネコンティ | 100万円~200万円前後 | 時価(数十万〜百数十万円程度) |
カッシェロ・デル・ディアブロ(赤・白・ロゼ) | 1万5千円〜3万円程度 | 5,000円~8,000円程度 |
コート・デ・ローズ(赤・白・ロゼ) | 1万円~2万円前後 | 3,000円〜7,000円程度 |
オーパスワン(赤) | 20万円前後 | 5万円〜数十万円程度 |
ワインは大きく以下の3種に分類されます。
タンニンによる渋みとコクが特徴。熟成により味わいが変化するため、ワイン好きな富裕層の男性客に好まれやすい傾向があります。牛肉料理やチーズとの相性が良く、ラグジュアリー感のあるテーブル演出に最適です。
酸味がありすっきりとした味わいが多い。魚介系や軽食と合うため、飲みやすさを重視する若年層やライトユーザー向けにおすすめ。冷やして提供することで、夏場の需要も高まります。
炭酸の爽快感があり、乾杯やお祝いに最適。中でも高級スパークリングの「シャンパン」は、演出性・利益率ともに非常に高く、キャバクラ営業の武器となるお酒です。
キャバクラにおいてワインの売上を伸ばすためには、キャストが自信を持って提案できることが必要不可欠です。
キャスト自身がワインに興味を持てば、「お客様と一緒にワインを選ぶ楽しみ」が生まれ、自然な流れで売上が伸びていきます。
なお、ワインは保存方法(温度・湿度・光)や提供温度に影響を受けやすいため、ワインセラーの導入やグラスの管理が必要です。
特に赤と白では適温が異なるため、冷蔵管理や空調の整備も重要です。
また、開封後は酸化が進むため、回転の悪い銘柄を大量にストックしすぎないよう注意しましょう。
売れ筋銘柄・高利益銘柄を分析してメニューを絞ることが利益最大化に直結します。

日本酒

キャバクラで日本酒はまだまだ定番ではありませんが、日本酒ブームの高まりや観光需要の増加により、国産の酒類へのニーズが顕在化しています。
キャバクラで日本酒を上手く活用することで、売上アップはもちろん、店舗の差別化や新たな顧客層の獲得にもつながる可能性があるでしょう。
キャバクラでよく提供される日本酒には、主に以下のものがあります。
種類 | 販売価格 | 原価 |
---|---|---|
澪 | 3,000円〜10,000円程度 | 1,000円〜2,500円程度 |
澪DRY | 3,000円〜10,000円程度 | 1,000円〜2,500円程度 |
澪BRU辛口 | 4,000円〜12,000円程度 | 1,500円〜3,000円程度 |
澪一果 | 3,000円〜8,000円程度 | 1,000円〜2,000円程度 |
「澪」シリーズはキャバクラで最もポピュラーな日本酒で、甘く爽やかで飲みやすくキャバクラの華やかな空間に非常にマッチします。
特に「澪DRY」や「澪BRU辛口」などの派生商品は、甘口が苦手なお客様にも喜ばれやすく、乾杯用やライトユーザー向けの提案に最適です。
また、最近ではフルーツテイストの「澪一果」など、女性受けの良い商品ラインナップも増えています。
なお、ほかのお酒と比べても日本酒は原価率が低めで、利益率の面でも優位性があります。
たとえば「澪」シリーズは1本あたりの原価が1,000円程度に対して、キャバクラでは3,000円〜1万円程度で販売されることも多く、コストパフォーマンスの高いお酒といえるでしょう。
また、より高級な日本酒を導入すれば、シャンパンやワイン同様の「高額ボトル枠」として販売することも可能です。
高級な日本酒の銘柄はすでに多くの高級飲食店でも取り扱われており、ブランド力のある銘柄を揃えることで、VIP顧客への接待ツールとしても活用できます。
なお導入に際しては、日本酒の「温度帯」や「器」にも配慮すると、演出力が一段とアップします。
冷酒・常温・熱燗といった多様な提供方法は、ワインやシャンパンにはない特徴であり、接客にも深みが出て指名や滞在時間の延長にもつながるでしょう。
カクテル

ウイスキーや焼酎のようにシンプルに飲むお酒とは異なり、カクテルはリキュールやジュース、炭酸などを組み合わせて作られるため、甘さや飲みやすさが特徴です。
アルコール度数も比較的低めのものが多く、男女問わず幅広い層に受け入れられやすいのが魅力です。
キャバクラでよく提供されるカクテルには、主に以下のものがあります。
種類 | 販売価格 | 原価 |
---|---|---|
カシスオレンジ | 1,200円〜1,800円前後 | 100円〜150円程度 |
カルーアミルク | 1,300円〜1,900円前後 | 150円〜200円程度 |
ファジーネーブル | 1,200円〜1,800円前後 | 120円〜160円程度 |
スプモーニ | 1,200円〜1,800円前後 | 100円〜150円程度 |
カシスウーロン | 1,200円〜1,800円前後 | 100円〜140円程度 |
カクテルは原価率が非常に安く、多く出れば利益に繋がりやすいお酒のひとつです。
またオリジナルカクテルの開発や、イベントごとの限定メニューを打ち出すなど、ドリンク単価を引き上げる工夫も可能です。
なおカクテル提供にあたっては、使用するリキュール・ジュース・ミキサーの在庫管理も重要だと言えます。
リキュールは一度仕入れれば長期保存が効くものが多く、ロスが出にくく利益率が安定しやすい反面、ジュースやミルク系は消費期限が短いため、仕入れすぎに注意が必要です。
週末に需要が集中しがちな傾向があるため、売上見込みに応じて事前に準備しておけばオペレーションの安定にも繋がるでしょう。

ショット

キャバクラにおける「ショット」とは、短時間でインパクトある盛り上がりを演出しながら、高単価で利益を生みやすいドリンクカテゴリです。
乾杯やイベント、ボトルに至る導線としても活用できるショットは、いまや多くのキャバクラで欠かせない収益アイテムになっています。
キャバクラでよく提供されるショットには、主に以下のものがあります。
種類 | 販売価格 | 原価 |
---|---|---|
テキーラ | 2,000円〜3,000円前後 | 80円〜240円程度 |
コカレロ | 3,000円前後 | 80円〜300円程度 |
イエーガーマイスター | 2,000円〜3,000円前後 | 90円〜300円程度 |
クライナーファイグリング | 2,000円〜1万円前後 | 80円〜260円程度 |
ショットは販売価格に対して原価は1杯あたり数百円程度と利益率は非常に高くなっています。
また、近年は「クライナーファイグリング」や「イエーガーマイスター」などの可愛い見た目や映える演出が可能なショットも人気です。
ショットを導入する際に重要なのは、キャストへの「売りやすさ」と「メリット提示」です。
例えば、「ショット10杯売上達成でバック率UP」や、「SNSでの乾杯投稿OK」「オリジナルショットグラス制作」など、仕掛け次第で回転数が大きく変わってきます。
ショットの売上はお酒全体の中でも単価・利益率ともにトップクラスで、月間売上の10〜20%を占める店舗も存在します。
導入コストが低く、在庫管理も比較的容易なショットは、売り上げアップのための強い武器です。
まだ導入していない場合は、人気銘柄を少数から試し、キャストへの提案トークを整備することから始めてみるのもおすすめです。
ビール

ビールはキャバクラにおいて、最もベーシックかつ安定した売上を支えるドリンクのひとつです。
特にサラリーマン層や飲み慣れた常連客にとってはウイスキーやショットよりも安心感があり、酔いのペースをコントロールしながら長時間滞在できる点でも人気があります。
また、他のドリンクと比べてアルコール度数が低く、食事やおつまみとの相性もよいため、テーブル単価を安定して底上げできる存在です。
キャバクラでよく提供されるビールには、主に以下のものがあります。
種類 | 販売価格 | 原価 |
---|---|---|
アサヒスーパードライ | 800円〜1,200円前後 | 200円〜350円程度 |
キリン一番搾り | 800円〜1,200円前後 | 200円〜350円程度 |
サッポロ黒ラベル | 800円〜1,200円前後 | 200円〜350円程度 |
キャバクラで取り扱われる主なビールは「アサヒスーパードライ」「キリン一番搾り」「サッポロ黒ラベル」などが中心で、ブランドによる好みの違いはあれど、提供価格はおおむね1杯800円〜1,200円が相場となっています。
瓶ビールであれば1本1,200円〜1,500円での提供が一般的です。
原価は業務用仕入れを活用すれば1本あたり150〜250円程度に抑えることができるため、利益率は約80%前後と高水準です。
注意点としては、ビールは炭酸の抜けやすさや温度管理に敏感なため、鮮度・冷却・サーブタイミングには特に注意が必要だと言えます。
ぬるいビールや泡だらけの提供はお客様の満足度を大きく下げてしまうため、ホールスタッフへの教育も不可欠です。
総じて、ビールは派手なドリンクではないものの、リピート率の高い商品としてキャバクラの売上を支える重要なドリンクだと言えるでしょう。
定番ゆえに粗利率も高く、提供品質やブランド選定にこだわれば、安定した利益を生み出すことができます。

「あるちゅーる」などの新感覚な商品にも注目!

近年キャバクラをはじめとしたナイトワーク業界では、定番のお酒に加えて見た目や話題性に富んだ新感覚のお酒が人気です。
中でも人気を集めているのが、映える新しいお酒として話題の「あるちゅーる」です。
あるちゅーるはペット用のご飯として人気の「ちゅーる」のように口に加えて飲むゼリー状のお酒で、ポップなデザインのパッケージで注目を集めています。
SNSでも拡散されやすいネーミングとビジュアルはZ世代のキャストや若い顧客層との相性も抜群です。
「あるちゅーる」のような話題性のある商品をラインナップに加えることで、来店動機を創出したり、客単価アップを狙えるチャンスにもなります。
お酒のトレンドを敏感にキャッチして、他店と差別化できる武器として活用しましょう。

キャバクラ特有のシャンパンサービスの値段

キャバクラならではの演出といえば、シャンパンを活用したイベントやサプライズ演出です。
ここでは主な2種類を紹介します。
オリシャン
「オリシャン」はオリジナルシャンパンの略称で、店舗名やキャストの写真・名前などをラベルに印刷した特注のシャンパンを指します。
価格帯は1本10,000円〜50,000円以上と幅広く、ラベルデザインや銘柄、演出内容によって価格は大きく変動します。
オリシャンはキャストのバースデーイベントや昇格祭、指名本数達成祝いなど、シーンに応じてお祝いの演出として非常に効果的です。
店としても仕入れ価格に対して高いマージンが得られるため、売上の柱として積極的に導入する店舗が増えています。
また、オリジナルラベルの制作コストも1本あたり数百円〜数千円と比較的安価なため、数本単位での小ロット導入も可能です。
キャストのモチベーションアップにもつながるため、経営戦略の一環として検討する価値は十分にあります。

シャンパンタワー
キャバクラの花形演出といえば、やはりシャンパンタワーです。
豪華なグラスを段積みにし上からシャンパンを注いで流し込む演出は、店舗全体を巻き込んだ一大イベントとしてインパクトも絶大です。
SNS映えもするため、店舗の宣伝効果も期待できるでしょう。
シャンパンタワーの価格は、小規模なもので5万円前後、大規模なもので数十万円〜100万円超に及ぶものもあります。
使用するグラス数やシャンパンの本数、照明や演出スタッフの有無によって金額が大きく変動するので発注の際は注意が必要です。
演出費込みのパッケージとして販売すれば、イベントの収益化と話題作りを同時に実現できます。
キャバクラの「非日常」を演出する最大の仕掛けとして、戦略的に活用していきたいところです。
キャバクラのお酒にまつわる豆知識

キャバクラ経営をより効果的に行うには、基本的なお酒の知識もしっかり押さえておく必要があります。
お酒の飲み方と作り方について簡潔に解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
お酒の飲み方一覧
キャバクラではお客様の好みに合わせて、お酒の飲み方も柔軟に対応します。
以下は主な飲み方の一覧です。
ストレート | 氷や水を加えず、そのままの状態で提供。ウイスキーやブランデーによく使われます。 ロック(オン・ザ・ロック):グラスに氷を入れた状態でお酒を注ぐ飲み方。味がまろやかになるため、人気のスタイルです。 |
ショット | 小さなグラスに少量のお酒を注ぎ、一気に飲み干すスタイル。盛り上げたい場面に向いています。 |
割りもの | 水割り・お湯割り・ソーダ割り・お茶割りなど。焼酎やウイスキーを飲みやすくする定番の提供方法。 |
チューハイ | 焼酎ベースに炭酸とフレーバーを加えたカクテル。女性客にも人気があります。 |
ハイボール | ウイスキー+炭酸水の定番ドリンク。さっぱりとした口当たりで幅広い年齢層に好まれます。 |
サワー | 焼酎やウォッカなどをベースに、果汁や甘味料を加えて作るカクテル。レモンサワーが代表的。 |
こうした飲み方の特徴を把握しておくと、キャストが自然な会話の中で提案でき、客単価アップにも繋がるでしょう。
お酒の作り方
キャバクラではキャストが自らお酒を作る場面も多く、お客様に特別感を与える重要なポイントとなります。
以下は代表的なお酒の作り方です。
水割り | 焼酎やウイスキーをグラスに注ぎ、水を加えて軽く混ぜます。比率は1:1〜1:2が目安。 ソーダ割り(ハイボール):氷を入れたグラスにウイスキーを入れ、炭酸水で割って混ぜる。炭酸の強さや比率に好みが出やすいので、事前に聞くのがベター。 |
お茶割り・ウーロンハイ | 焼酎に対して、ウーロン茶・緑茶・ジャスミン茶などを加えて割る。飲みやすく女性にも人気。 |
サワー系 | 焼酎・ウォッカにレモンやグレープフルーツの果汁、炭酸を加える。フレーバーシロップを入れても◎ |
キャストの手際の良さや所作の美しさが、お酒の味以上にお客様の満足度に直結するケースも少なくありません。
マニュアル化や研修を通じて、一定の品質で提供できるようにしておくと、店舗全体の評価アップにも繋がるでしょう。
まとめ:キャバクラにおけるお酒の役割を理解し、店舗経営に活かそう
キャバクラにおけるお酒は、単なる飲み物ではなく「売上」「演出」「顧客満足」「スタッフ評価」など、あらゆる要素に密接に関わる重要なコンテンツです。
またお酒の飲み方や作り方に関する基本的な知識も押さえておくことで、ホールスタッフやキャストの接客力向上にも繋がるでしょう。
競争が激化する中で、「どんなお酒を揃え、どう売っていくか」は、今後の経営を左右するカギになり得ます。
トレンドを押さえつつ店のターゲット層やコンセプトに合ったお酒の戦略を展開し、より多くの顧客を獲得していきましょう。